腐食層の厚さ mm/year

平成8年 鹿児島大学による鉄の防錆効果を実験!

その一環として、まずFUFエキスの物性を測定。

【測定状況】
鉄の腐食実験の設定直後と14日浸漬後に測定。

測定時 温度
(℃)
pH 酸化還元電位(mV) 溶存酸素(mg/l) 電気伝導度(mS/m)
アミエキス 直後 29.9 6.66 130 3.35 915
14日後 31.2 8.38 -307 0.26 1119
天然温泉水 直後 29.0 8.63 177 5.85 20.5
14日後 31.2 8.77 69 4.10 25.3
蒸留水 直後 30.8 6.54 237 5.81 2.6
14日後 31.2 7.58 124 4.49 1.215

酸化還元電位  酸化現象、還元現象の状態を示す値で、酸化現象が起こると数値は増加し+を示し、
           還元現象が起こると数値は減少し−を示す。

溶存酸素     水溶液中に存在する酸素の量を示し、鉄の腐食現象の主要因と考えられている。

電気伝導度   水溶液中の溶存イオンの量を示したもので、溶存イオンが増加すると電気伝導度は増加する。

【測定結果】
pHはほぼ中性であり、14日後にpHが上昇したのは多少腐食現象が進んだためとおもわれる。
水溶液中の腐食現象では、鉄の表面がアルカリ性を示すため、
pHはややアルカリ側にあるといわれている。

また酸化還元電位についてはアミエキスは特異な性質を示しており、一側の値を示した。
溶存酸素では大変低い値を示した。
電気伝導度については、天然温泉水あるいは蒸留水に比べると大変高い値を示した。

以上より、アミエキスは独自の物性の特徴を持っており、
このことがさまざまな効果を生んでいると推測できる。

以前の予備実験の結果より、アミエキスを使用した場合の鉄の防錆のメカニズムを検証!

【供試材料】
建築材用の鉄筋
直径:12.9mm
長さ:約29mm
重量:約29.1g

【実験方法】
三角フラスコにアミエキスを入れ、この中に鉄筋を浸けた。
それを30℃に設定したインキュベーターの中に入れ、14日間置いておいた。
そして、セットしてから14日後に鉄の腐食量を湿式にて測定した。
鉄の腐食量の測定にはo-フェナントロリンによる鉄の微量成分定量法を用い、
三価鉄の量を分光光度計にて測定し、その結果から腐食速度を求め腐食量の厚さを計算した。

【測定結果】
本実験の結果、蒸留水に浸けたときの約4倍腐食の量が少なくなっていることがわかる。
すなわちアミエキスを使用した場合、寿命が蒸留水の4倍延びるといえる。
アミエキスの防錆効果